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作業療法 Occupational Therapy

従来の上肢機能訓練

さまざまな道具を用いて、物の握り離しの練習や指先の細かい動きの練習を行います。また、両手を用いて、麻痺のある手と協調した動きを引き出します。腕の力が弱い患者さんには、腕を空間に持ち上げる力を補助する「ポータブルスプリングバランサー」を使用して、「物に手を伸ばして握り、別の目標まで運ぶ練習」を行います。

  • 指先でのつまみの練習

  • 両手動作の練習

  • ポータブルスプリングバランサーを用いた練習

電気刺激療法

電気刺激療法は脳卒中治療ガイドラインにおいて「行うことが勧められている」として掲載されており、科学的根拠のある治療法です。具体的には,日本で開発された随意運動型電気刺激装置(IVES、動かそうとするときの筋肉の動きを増強する機械)を使用しながら、リハビリテーションの時間だけでなく病棟生活でも積極的に麻痺した腕や手を使っていただくという治療です。治療期間は3週間です。障害の状態に応じてさまざまな選択肢を用意している点も当院のリハビリテーション体制の魅力です。

当院における電気刺激療法の対象は、主に脳卒中後の片方の手の麻痺がある入院患者さんで、指を伸ばす力が不十分なため訓練や日常生活が困難となっている方です。その他、詳細な適用条件がございますので主治医・担当療法士にご相談をお願いします。

修正CIMT(modified Constraint Induced Movement Therapy-回復期CI療法)

脳卒中によって腕や手に麻痺が残った患者さんは、麻痺のない方の手で日常生活を概ね自立して行うことができます。そのため、次第に麻痺した手を使わなくなっていき、本来はもっと使えるはずの手が次第に使えなくなってしまう、ということが知られています。CI(シーアイ)療法は、このような問題を解決するために開発された治療法です。

肩や肘などに対する訓練場面

手や手指に対する訓練場面

CI療法は、脳卒中治療ガイドラインにおいて「行うことが強く勧められている」として記載されており、世界で広く行われている安全で効果的なリハビリテーションですが、日本では実施している病院・施設はまだまだ少ないのが現状です。当院は全国の回復期リハビリテーション病院の中でも先駆的に平成26年5月より回復期CI療法を導入し、治療実績を重ねています。

当院のCI療法は1日3時間集中的に麻痺側の手を使う時間を設け、これを週5日、3週間継続して入院の上実施します。CI療法を通して、入院中から麻痺した腕や手を積極的に使用して、上肢の使い方をご自身で習慣化することで、退院後も使用を継続でき、長期的にもさらなる機能改善を期待できます。

当院におけるCI療法は、主に脳卒中後の片方の手の麻痺がある入院患者さんで、手指の動きがわずかに可能で、小さなものをつまんだり離したりといった動作が部分的にでも可能な方が対象となります。その他、詳細な適用条件がございますので主治医・担当療法士にご相談をお願いします。

能動型上肢用他動運動訓練装置

脳卒中後に重度~中等度の上肢麻痺が残存した患者さんに対し、ロボット支援訓練と作業療法を併用することで、より効果的な治療成果が得られることが報告されています。 作業療法士がロボットを道具として訓練の一部に活用することで、運動麻痺の重症度や回復過程に応じて、最適な訓練条件を設定することができます。 ロボットの最大の特徴は、同一の運動を一定の介助量で何度も反復することができる点にあります。ロボットを患者さん自らの意思でコントロールして上肢を動かすことにより、より主体的にリハビリに取り組むことができます。

当院で採用する上肢用運動訓練ロボットは、伸縮するジョイスティック構造のアームを持つ機器で、患者さんは機器の側方に座り、前方のディスプレイに表示されるターゲットに合わせて、アームを随意的に操作します。三次元の運動支援が可能で、訓練パターンやモードを柔軟に多彩に選択できるのが特徴で、自主訓練として積極的に使用することで、上肢近位部(肩・肘・前腕)の機能が向上することが報告されています。 一方、ロボット支援訓練のみでは、日常生活で実際に麻痺した上肢を使用することが困難であることも数多くの研究結果から明らかとなっています。運動機能が改善してきた上肢を、どのように日常生活の中で使用していけばよいのか、作業療法士と協力して問題解決に取り組むことで、より実用的な訓練効果を得ることが期待できます。

半側空間無視に対する訓練(プリズム適応療法)

ヒトの空間的な注意機能は、右脳が優れていることが知られています。 脳卒中により右脳に障害をきたすと、空間的な注意機能は全般的に低下し、左右の脳でアンバランスが生じます。 これにより、空間的な注意が右方向に偏り、左空間を無視する半側空間無視という症状が生じます。

半側空間無視は、右脳の損傷によって起こることが多く、右脳損傷者の4割程度に認められるとされ、脳卒中後の高次脳機能障害として比較的頻度の高い病態です。 半側空間無視の発症機序についてはいまだ未解明ですが、脳卒中リハビリにおいて、無視の存在は機能獲得を阻害する重大な要因としてあげられます。

プリズム適応(prism adaptation: PA)では、プリズム眼鏡により視野をわざと右にずらした状態を作り出します。この眼鏡をかけると、最初に物が見える位置と実際の位置、手の動きが一致しないため、目標とずれた位置に向かって腕を伸ばそうとしますが、動作を繰り返すと徐々に正確に目標に向かって腕を伸ばせるようになっていきます。

この現象を半側空間無視のリハビリテーションに応用したものがPA療法です。PA療法は、視覚のズレと、ズレを修正しようとする運動企図の両方に影響を与え、他の方法に比べて少ない回数で治療効果が長く持続すること、大掛かりな装置を必要としないことから、実際の臨床場面に応用可能な方法として注目されています。早期にPA療法を行うことで、検査結果の改善にとどまらず、立位のバランスや車いす駆動など日常生活に関わる部分での改善も報告されています。

当院では、回復期に当たる発症後1~3ヶ月で、半側空間無視を合併されておりかつPA療法施行可能な方に対し、1日2回(1回に10~15分)、週5日、2週間のPA療法を実施しております。

日常生活活動の支援

当院では、「安静度評価表」を用いた移乗・トイレの自立支援、「一般浴評価表」を用いた入浴支援など、患者さん一人ひとりの状態を適切に把握しながら、日常生活の自立を目指した効率的・効果的な支援を実施しています。

1Fリハビリセンターには、トイレ動作と入浴動作を模擬的に訓練できるシミュレーション機器を設置しています。 自宅環境を想定した訓練や患者さんの状態に合わせた段階的な訓練プログラムを実施しています。

安静度評価表を用いた移乗・トイレの自立支援

シミュレーション機器を使用したトイレ訓練

当院へ入院時、移動手段として車いすを使用している患者さんが多くいらっしゃいます。退院へ向けて、まず病室において身辺動作を自立することから始まります。そこで、最も重要となるのが「車いすとベッドの移乗自立」と「トイレの自立」です。 これらは、移乗能力だけでなく、車いすの操作やドアの開閉など、いくつもの工程から構成される一連の動作として捉えていく必要があります。 当院では、独自に移乗・トイレ動作評価表を作成し、医師・看護師・理学療法士・作業療法士が協力して、患者さんの自立度を評価し、安全に自移乗やトイレを行えるよう支援しています。

一般浴評価表を用いた入浴の自立支援

シミュレーション機器を使用した入浴訓練

退院後ご自宅で入浴ができるよう、医師・看護師・理学療法士・ケアスタッフ(介護士)と連携して、一般浴に移行するための入浴評価・訓練を行います。当院の入浴形態は、以下の3つです。

ストレッチャー浴 ストレッチャーに横になった状態でシャワーのみ行います。
リフト浴 シャワーキャリーに乗車し、座った状態でリフト式の浴槽へ入ります。
一般浴 洗い場までの移動・浴槽の出入りを患者さんご自身で行います。