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言語聴覚療法 Speech and language Therapy

失語症など言語障害に対する訓練

一般に失語症は、脳血管障害などによって大脳半球にある言語中枢が損傷することで起こる言語障害です。失語症になると、言葉を聞いて理解することや話すこと、文字を読んで理解すること、書くことといった言語機能のすべてが障害されます。

失語症など言語障害に対する訓練|言語聴療法

主な症状

聴く・・・話している言葉がわからない。 回りくどい文章や複雑な内容や文章がわからない。
話す・・・言いたい言葉が浮かんでこない。 思っていることと違う言葉を言ってしまう。 。
読む・・・書いてある内容が理解できない。
書く・・・文字を思い出せない、書けない。

言語聴覚療法では、課題や生活場面でのコミュニケーションの様子から問題点を捉えて評価を行います。そして、残存する能力に応じて、様々な側面から機能を刺激し、言語機能そのものが改善するような段階的なプログラムを個々に立案していきます。同時に、他者との会話が円滑になるように患者様の能力に合わせて有効な手段・方法の提案をし、コミュニケーションの拡大を図っています。例えば、患者さんの状態に合わせてコミュニケーションノート(生活に必要とされる言葉を絵や文字を用いて一覧にしたもの)を作成し、生活場面で活用するための練習も行います。

またご家族やスタッフに対しても、絵や文字の他に表情やしぐさ、ジェスチャーなどを使用して伝達するなど、様々な症状に合わせて、コミュニケーションをとるための有効な方法の提案・指導を行っています。 当院では、ご家族参加型の訓練を推奨しています。実際に訓練に同席していただき、接し方のポイント等をお伝えするとともに、生活場面でのお困りごとや対処方法などについてアドバイスをさせていただくこともあります。退院後も他者との交流の機会が維持できるよう積極的な支援を行っています。

  • 失語症など言語障害に対する訓練|言語聴療法

    書字の訓練

  • 失語症など言語障害に対する訓練|言語聴療法

    訓練教材の一例

  • 失語症など言語障害に対する訓練|言語聴療法

    コミュニケーションノート・カード例

運動障害性構音障害

運動障害性構音障害は麻痺などによって言葉を話すときに使う唇や舌の動きに制限が出ることにより呂律が回りにくくなる言語障害です。症状が重いと何を言っているのか全くわからず、聞き手が話を推察してやりとりをしなければならなくなります。

言語聴覚療法では、言葉を話すときに必要な呼吸機能や唇や舌といった発語器官の運動の評価を行います。そして、評価をもとに機能改善を目指していきます。 また、ゆっくりと話してもらう、言いづらい言葉を言い換えてもらうなどといった聞き手に伝わりやすい話し方の習得や50音表を用いたやりとりの練習なども提案していきます。

  • 運動障害性構音障害

    評価・訓練道具

  • 運動障害性構音障害|言語聴療法

    呼吸訓練(ブローイング)

  • 運動障害性構音障害|言語聴療法

    発語器官の訓練(頬・口輪筋のアイスマッサージ)

摂食嚥下障害

うまく飲み込みができない、頻繁にむせる、食事摂取が進まないといった摂食嚥下機能に関する問題がある方に対して、評価及び訓練を行っています。

入院時、主治医による問診・スクリーニング検査が実施され、摂食嚥下障害が疑われた場合、言語聴覚士が評価・訓練を早期に開始します。摂食嚥下の機能低下を認めた方に対して、再び摂食の喜びを与えることを目指し支援を行っています。また、全く摂食できない人に対して少しでも食べられるように、むせて困る方や誤嚥性肺炎を繰り返す方には安心して摂食できる方法を提供できるように、他職種と連携を図りながら検討・介入を行っています。

摂食嚥下障害|言語聴療法

嚥下造影検査

摂食嚥下障害|言語聴療法

嚥下内視鏡検査風景

口に食べ物を取り込んでから胃に流れるまでの動きは、視診・触診では判別がつきません。不十分な評価を行うと、誤嚥性肺炎など症状の悪化を招く恐れがあります。 より信頼性の高い評価及び診断を行うために、当院では嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査を取り入れ、目では見えない摂食動態をX線や内視鏡を用いて目で確認し、適切な評価及び訓練の選択、食事形態の決定を行っています。

2019年度の当院における嚥下造影検査は、445件です。

経鼻経管栄養や胃瘻造設術を受けた方に対しても、何らかの摂食能力が残っている場合には、適切な評価と訓練、環境設定等を行い、お楽しみでの食事や、一部離脱、完全抜去を目標に介入を行っています。また、ワレンベルグ症候群など、特殊な嚥下訓練を要する場合においても、積極的な嚥下訓練を行っています。

嚥下造影検査について(放射線科)

摂食嚥下障害の食事調整(栄養科)

高次脳機能障害

高次脳機能障害とは、脳梗塞などの脳の損傷によって、記憶、注意力、思考、空間認知などの高次脳機能が障害されることをいいます。 高次脳機能障害は一目で「何かおかしい」とわかる症状だけではなく、ご家族でも症状に気がつかない場合もあります。 生活場面では一見分からない場合であっても、退院後の社会交流や仕事復帰場面で問題が認められることがあります。 入院中には退院後の生活を見据えた、的確な 評価と 訓練を行うことが大切です。

高次脳機能障害|言語聴療法

タブレットを使用した訓練

高次脳機能障害|言語聴療法

高次脳機能障害のおもな検査

主な症状

記憶障害・・・朝食の内容を思い出せない、約束を忘れてしまう など
注意障害・・・ひとの話をよく聞いていない、誤字脱字が多い など
半側空間無視・・・麻痺側の身体の扱いが粗雑、食事の半分に気がつかないで残してしまう など
遂行機能障害・・・うまく計画がたてられなくなる
失行・・・手足に麻痺がないのに道具の使用ができなくなる
失認・・・視力は保たれているが物を認識できなくなる

ブロックを用いた課題では、図面(見本)を見ながら立体の構成や 組み立ての段取りなどに必要な能力を高めます。タブレット端末を用いた訓練では、アプリケーションを利用して集中力や注意力などに働きかけています。また、適宜必要な検査を実施し、高次脳機能検査用具や訓練教材を使用し、評価及び訓練を行います。