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診療実績報告 Clinical Indicator

2019年診療実績報告

当院でリハビリテーションを目的として入院され2019年1月1日~2019年12月31日までに退院された患者さんの治療実績についてご紹介します。

同一患者の同一疾患による再入院は1回の入院として集計し、入院時の数値は最初の入院時の値を、退院時の数値は最後の退院時の値を集計しております。

総患者数 648

年齢、疾患別構成

年齢別構成

年齢別構成

当院における患者さんの平均年齢は73.3歳となっており、全国平均(76.5歳)と比べ大きくは違いませんが、各年代の割合を見てみると、50歳代以下の若い年代層の患者さんが全国平均と比べてかなり多くなっています。

平均年齢 73.3

※全国平均の比較は「2019年度回復期リハビリテーション病棟の現状と課題に関する調査報告書(回復期リハビリテーション病当協会:2020年3月)」の値を参考としております。

疾患別構成

疾患別構成

疾患別では、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の“脳卒中”が合わせて49.5%、骨折などの“整形外科系疾患”が29.6%となっており、全国の回復期リハビリテーション病棟と比較すると脳卒中の患者さんの割合が多くなっています。また、その他脳疾患・神経疾患および脊髄疾患・脊髄損傷が合わせて13.5%となっており、全国と比べて割合がかなり高くなっています。

脳血管疾患 319
※くも膜下出血シャント術後を除く
整形外科疾患(骨折) 150
所在地構成

所在地別構成

地域別では、習志野市・千葉市・船橋市といった近隣地域の患者さんが多いですが、千葉県外からの患者さんが9.1%と、遠方からの入院患者さんも多くいらっしゃいます。

当院では日本リハビリテーション医学会認定専門医を含むリハビリテーション科医師が12名(2020年4月)在籍しております。リハビリテーションを必要とする患者さんが抱える疾患は、脳卒中や骨折のような患者数が全国的に多いもののみならず、神経難病や脊髄疾患、切断、がんなど多岐にわたります。リハビリテーション科医師は、疾患別や臓器別にとらわれず、患者さんの身体に起こるあらゆる障害を医学的観点から俯瞰することで、適切なリハビリテーションが行えるようにチームを導いていく能力を備えているスペシャリストです。

リハビリテーション科医師を中心とした病院チームが患者さんやご家族とともに常に高いゴールを目指しながら、今後の生活を一緒にデザインしていきます。患者さんにとって、ご家族にとって、リハビリテーションを集中的に行える大事なこの時期を専門的な知識や経験を有した医師を筆頭としたチームがしっかりと支える。それこそが、様々な年代の患者さんから、様々な疾患の患者さんから、あらゆる地域の患者さんから、当院が選ばれている一因と自負しております。

在院日数と転帰(退院)先

当院での平均在院日数は81.9日(全国平均:67.4日)(※1)となっております。一方、転帰(退院)先については在宅復帰率は88.8%(※2)となります。

当院では「常に高いゴールを目指す、挑戦する医療」を理念として掲げており、患者さんに機能や生活能力を最大限に獲得していただくことを最上の課題としております。機能や生活能力が同じゴールになるのであれば退院は早ければ早いほうが良い、入院期間は短ければ短いほうが良いことは論をまちません。しかし、当初予定していた入院期間を延ばすことでより高いゴールが得られるとリハビリテーション科専門医が判断した場合は、日数にこだわらず、患者さんやご家族とご相談しながら、入院期間を入院限度期間の範囲内で再設定することでより高いゴールを目指してまいります。

※1.回復期リハビリテーション病棟では、疾患別に入院限度期間が定められています。詳細は コチラ

※2.当院が算定する回復期リハビリテーション病棟入院基本料では、在宅復帰率70%以上が求められております。

平均在院日数 81.9
  • 在院日数分布

    在院日数分布

  • 疾患別平均在院日数

    疾患別平均在院日数

当院の在宅復帰率が高い水準となっているのも、この「常に高いゴールを目指す」姿勢のためと自負しております。回復期リハビリテーション病院のあと、ご自宅に戻るか施設に入所するかについては、患者さんの身体機能のみならず、ご家族や家屋の状況、経済的なこと、生活への不安感など、患者さんそれぞれの背景も関係してくる事柄です。そのため、たとえ同じ身体機能であったとしてもその選択は患者さんごとに様々で、「正解」といわれるものはありません。ただ、患者さんがより高いゴールを得ることによって、患者さんご本人も「これなら生活できるかな」という自信につながり、ご家族にも「これなら帰ってきてもらっても大丈夫かな」「これなら家で介護ができるかな」という安心感につながっていきます。その結果、ご自宅に戻るという選択肢がぐっと大きなものとなり、結果として在宅復帰となる患者さんが多くなると考えております。

在宅復帰率 88.8 %
転帰先

転帰先

家に帰るかどうかはあくまで高いゴールを目指した後についてくるもの、入院日数は高いゴールを目指した結果決まるものです。当院リハビリテーションチームが患者さん、ご家族と手を取り合って、常に高いゴールを目指すことに共に挑戦していければと考えております。

※在宅復帰率は、転帰(退院)先が「自宅」「自宅以外在宅」の方について在宅復帰としております。

リハビリの治療実績

当院では、患者さんが入院されるとすぐに寝たきりにならないよう、チームの各担当スタッフが、起きる、食べる、歩く、トイレへ行く、お風呂に入るなど(これらを「日常生活動作」(ADL(エイディエル):Activities of Daily Living )といいます)への積極的な働きかけを開始し、改善を図り、家庭復帰を支援してゆきます。

そのため、患者さんの病棟での日常生活動作能力を評価し、改善状況を捉えています。 日常生活動作の能力評価には、機能的自立度評価表(FIM(フィム):Functional Independence Measure)を用いています。

当院は、患者さんの身体機能について、より高いゴールを目指し、その結果としてこのFIMの値を伸ばすことで、患者さんが一人で行えることが増えて生活のしやすさを実感できるように、また、ご家族にかかる介護負担を減らし患者さんとご家族がともに笑顔で生活していけるように、病院チーム一丸となって支援してまいります。

参照: FIMの評価方法

ADL改善値

ADL改善値の平均

FIMでは、食事、排泄、移動などの運動項目(13項目)と、コミュニケーションなどの認知項目(5項目)を評価し、入院時と退院時のFIMの得点差を、ADLの改善値としています。

ADLの改善値について、全体平均では運動項目で「22.3」認知項目は「3.1」ポイントの向上となりました。脳血管疾患(※くも膜下出血シャント術後除く)では、運動項目「23.4」認知項目「3.9」、整形外科疾患(骨折)では、運動項目「23.9」認知項目「2.6」ポイントの向上となりました。

移動(歩行・車椅子)について

移動

移動(歩行・車椅子)の改善値

運動項目の移動(歩行・車椅子)については、退院時の主な移動手段で評価します。入院時の主な移動手段が車椅子の方で、退院時も車椅子であった方は車椅子の点数で、退院時に歩行となった場合は、入院時の歩行の点数となります。

1~5点を「介助」6・7点を「自立」とした場合、全症例及び脳血管疾患、整形外科疾患(骨折)の方の改善値はそれぞれ図の様になります。

介助と自立の差は、介助者が必要か、患者さんお一人での移動が可能かという点になります。

トイレについて

トイレの改善値

トイレの改善値

運動項目の「トイレ動作」「排尿管理」「排便管理」「トイレ移乗」それぞれの介助(1~5点)と自立(6・7点)を判定しすべてが自立(6・7点)であった場合を「自立」、どれか一つでも介助(1~5点)であった場合に「介助」と評価した「トイレ」の改善値について、図の様になります。

トイレについては、お一人で「服の上げ下げができるか」「お尻を拭くことができるか」「トイレに乗り移ることができるか」「失禁があるか」「下剤・座薬等の管理方法」などが評価されます。

退院時FIMは、あくまで退院後の生活を見据えた「途中経過」であり「終着点」ではありません。その後の生活次第で患者さんのFIMはまだまだ大きく変わりえます。そのため、入院中から退院後に向けた生活指導や運動習慣の定着を図っていくこと、また、外来リハビリテーションや訪問リハビリテーションへとつなぎ、切れ目のないリハビリテーションを行うことにより、退院後も患者さんの身体機能がさらなる高みを目指せるように支援してまいります。

FIMの評価方法

FIMは日常生活を送るうえで欠かせない各動作を自分ひとりでどれくらいできるのか、周りの方々にどれくらい手伝ってもらう必要があるかを点数付けしたものです。そのため、FIMは患者さんの生活のしやすさを表す一つの指標であり、このFIMの点数を用いて算出される「実績指数」を厚生労働省も重視しています。食事、排泄、移動などの運動項目13項目と、コミュニケーションなどの認知項目5項目の計18項目からなります。

大項目 中項目 小項目
運動項目 セルフケア 1.食事
2.整容
3.清拭(入浴)
4.更衣(上半身)
5.更衣(下半身)
6.トイレ動作
排泄コントロール 7.排尿管理
8.排便管理
移乗 9.ベッド・椅子・車いす
10.トイレ
11.浴槽・シャワー
移動 12.歩行・車椅子
13.階段
認知項目 コミュニケーション 14.理解
15.表出
16.社会的交流
社会的認知 17.問題解決
18.記憶

18項目は、すべて7~1点の7段階で採点します。合計は126点です。7点は完全自立、6点は修正自立、5点は監視・介助、4点は最小介助、3点は中等度介助、2点は最大介助、1点は全介助ですので、点数が高いほど自立度が高いことを示します。

運動項目の13項目は、7点・6点は自分だけで行っている場合の得点であり、5~1点は、誰かがその場についているときの得点です。合計91点です。

認知項目は5項目で合計35点となります。

点数 評価 運動項目 認知項目
7 完全自立 自立 自立
6 修正自立 用具の使用、安全性の配慮、時間がかかる 軽度の困難、または補助具の使用
5 監視・介助 見守りや準備が必要 90%以上している
4 最小介助 75%以上100%未満している 75%以上90%未満している
3 中等度介助 50%以上75%未満している 50%以上75%未満している
2 最大介助 25%以上50%未満している 25%以上50%未満している
1 全介助 25%未満しかしていない 25%未満しかしていない